俺のおみや

前にも書いたような気がするが、仕事がプログラマであると言うと、大抵は
「じゃあ、パソコンに詳しいんですね～」
とかいう返答がある。
というか、同業者でも無い限り、実際プログラマが何してるのかなんて分からないだろうし、それしか言えないだろうから、この回答はベストでありマストである。

ここで
「何使ってるんですか？」
とかいう質問が軽やかに来たら、まず間違いなく同業者。

この「詳しいんですね！」の賞賛に対して、俺はいつも返答に困る。

なぜなら、自分自身が「パソコンに詳しい」というレベルには到達していないと思えるからだ。
知らない事は山ほど有るし、知れば知るほど分からなくなるのがＰＣであり。

更に言うなら、プログラマはパソコンの専門家ではなく、ソフトの専門家である。
確かに素人に比べたら多少は詳しいだろうけど、ちゃんと知ってる奴には勝てない。
専門が違うから勝つ必要も無い。
そういう意味でも、そんなプロたちを差し置いて「詳しい」と言い切る自信は、俺には無い。

ただ、相手の言う「詳しい」のレベルは、ソフトの操作が出来るとか、インターネットの設定が出来るとか、エクセルで表計算ができるとか、せいぜいその程度のことであろう事は、十分に分かっている。

だからこの質問にあえて正しく答えるとすれば
「あなたの言う「詳しい」というレベルは余裕でクリアしていますが、自分の中の「詳しい」というレベルには到達していません」
と、答えるしかない。
まことに感じ悪い。さすがにこれは言えない。

だから俺はいつもあいまいに笑って
「ははは、まぁね」
と答えるしかない。

言いたい事もいえないこんな世の中じゃ。