長かった..
もうすぐ、自由になれる。
晴れて、けいなん先生だけに集中できる日が。 あぁ嬉しい。
最近、テレビの向こうの先生方が、やったらめったら誉めるんですよ。
お茶の間留学の講師ってのは、毎回変わるんですよね。1レッスン事に違う先生が登場。
ごくごくたまに、むかーし会ったような気がする先生に再会したりもするんですが、ごくまれ。ってか覚えてないし。
先生によって、レッスンの進め方もバラバラだし、もちろん性格もバラバラ。自分の身の上話をひたすらしている先生とかもいた。
やたらと誉める人は今までもいたけど、3回も連続でベタ誉めな先生に当たったのは、今回初。
例えばこんな感じ。
先「名前は?」
俺「タカラです」
先「Wooooooooooooooooo!!!!111!!!パーフェクト!!おめーって超インテリジェントでブリリアントでナスカの地上絵じゃーん!!」
ってな感じで、ちょっと苦笑いしてしまうほど誉めまくって来るんですわ。最後のは意味わかんないけど。
まぁでも、誉めるって大切。
叱られて伸びる奴ってーのは、ほっといても伸びる奴。
わざわざ学校に通ったりする奴ってのは、誉められて伸びる奴。
学生時分に、パソコンを教えていたことが有るんです。
まぁ、いわゆる家庭教師みたいなもんで、生徒さんのお宅にお邪魔して、パソコンの前で個人レッスンってなわけです。
確かOSはWIN98、CPUはMMXペ・ヨンティアムが主流とかの時代だったと思います。
生徒は99%、俺より遙かに年上の、中間管理職な方々でした。
ちなみに、80近いおじーさんもいました。この人が一番優秀だったってのは、すごい話ですよ。
そんな人生経験豊富で、プライドも高そうな方々が、若造に教えを請うなんて気に入らないだろうし、
「そんなことぐらい知ってる!バカにすんな!」
「ナメた口きくなこの青二才が!」
「オマエなんぞに娘はやれん!」
ってのは容易に想像できて、難航するんだろうなぁと思っていたんですが、はっきり言ってそんな人皆無でした。息子レベルの年の俺に教わるって事は重々承知な方ばかりで、最初っからものすご低姿勢。
んでね。俺もその時誉める作戦をとっていたんです。
例えばちょっとした専門用語、それこそマウスとかクリック程度を知っていただけでも、もうベタ誉め。
ナスカの地上絵どころか、グランドキャニオン、へたすりゃ冥王星ぐらいの誉めっぷり。
これで相手のモチベーションを高めて、ますますのめり込んでもらおうという考えですよ。
まぁ逆に言えば、やる気のない人を向上させる技法が、俺には無かったから、という事ですが。
俺も経験を積んで、いくらか慣れてきた時に、ある生徒さんを新しく受け持ちました。
この人が、話をしてると結構優秀で、インターネットとかプロバイダとか、PINGとかDOSとかいう単語を知ってるんですよね。でもパソコンを触ったことがないってな方で。
おお、こりゃ誉めがいがありそーだ。
大抵こういう人は、さわりを教えるだけであとは勝手に覚えていってくれたりする。
あとは、次のレッスンの時
「ええー!そんな事教えてないのに!まさかご自分で?すごい!」
とかなんとか言ってりゃ完璧。
楽できそうな明日の自分を夢見て、口の端からヨダレたらしながら夢想してました。
そしたらね。この人すごかった。別の意味で。
もう全部やってくれた。そう、全部。
・何度教えてもモニタをテレビという。
・マウスを浮かせず、腕を伸ばしすぎて机から落とす。
・マウスを逆さに持つ
でもこのぐらいは余裕ー。
ちょっと想定と違って驚いたけど、まだ全然平気ー。
パソコンって、ひたすら覚え込むってのが多いじゃないですか。
「何故?」
って質問に対して、
「そういうもんなんです」
と言うしかない事が多いんですよね。
それがものすごく理不尽だったらしく、だんだんとフラストレーションがたまってきているのが、手に取るようにわかりました。
それが爆発したのが最後にパソコンの電源を切る時。
もう俺、あのセリフ一生忘れられんわ。
『「スタート」の意味は開始だろう!なんで終了するのに、「スタート」ボタンを押さなきゃならんのだ!!』
も、盲点!
良い所に気が付いた。何の疑問も持たずに今まで使ってたよ。
それでも隙あらば誉めようと常に考えていた俺は、
「す、素晴らしい視点です」
ってな無理矢理な誉め方を、薄れ行く意識の中でしてたような気がする。
なんかね、用語はマンガで覚えたんだって..ハッキングのマンガ。
そーいやこの人が何故か詳しかったPINGとかDOSとかって、ハッキング関連の用語でもあるよな。最近のマンガはすごいね。
大変なこともいっぱいあったけど、基本的には楽しかったなぁ..