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2024/11/23 05:57 |
幼馴染
俺の幼馴染は、女の子でした。
彼女、あーちゃんとの思い出話を書いてみる。
多分に思い出補正が入っているだろうけども。
残念ながら、色恋要素は皆無です。

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毎朝一緒に、保育園に通ってた。
保育園にあったツツジの、蜜の吸い方を教えてくれたのはあーちゃんでした。
当時は甘いものに飢えていたので、園内のツツジを吸い尽くす勢いで次々吸ってました。
先生にバレて怒られてからは、見つからないようにこっそり吸ってました。
その後、吸おうとしたツツジの花に、虫が先客として鎮座されており、
口の中に闖入めされてパニくってからは、もう吸わなくなりました。軽くトラウマ。

ある日、いつものようにあーちゃんの家に遊びに行った時。
玄関であーちゃんが出てくるのを待っていたら、あーちゃん家でが飼っている犬が俺の横に来ました。
黒い中型犬で、わりと大人しい犬だったと思います。
今だに、何でそんなことをしたのか自分でも不思議なんですが、
その犬の尻尾の先を、軽く踏んづけました。
キャンと鳴いた次の瞬間、俺の手をガッツリ咬んできました。
すんげー痛かったです。
大泣きする俺の手を、あーちゃんの母親が洗ったり冷やしたりしてくれてました。
その日以来、あの犬が俺の間合いに入ってくれることは無くなりました。

俺の誕生日の数日前。
うちで小さな誕生日パーティをすることになりました。
パーティの手作り招待券を、あーちゃんに手渡す必要があったんですが、なんだか恥ずかしくて躊躇していました。
おかんに促され、仕方なくあーちゃんの家まで牛歩作戦で行ったんですが、50mも離れていないので、あっさり着いてしまいました。
でもやっぱり恥ずかしくて、結局渡せないまま家に帰ってしまいました。
そこに鬼が仁王立ち。よく見たら激怒しているおかんでした。
ヘタレ息子をトゲトゲ棍棒でブン殴りながら、命が惜しくば絶対渡してこいとオーダー。
俺に選択の余地はありませんでした。
三度あーちゃんの家に向かうものの、恥ずかしい、でも死にたくない、と気持ちは行ったりきたり。
あーちゃんの家の前を、右往左往してました。
招待状片手に、散々迷って悩んでいた場面を、今でもはっきり覚えています。
優柔不断スキルの開花です。

最終的には招待状を、庭の茂みの上に置いてきました。
渡せない、でも持って帰るわけには行かないという状況から、見事にひとつの答えを導き出した、すばらしい発想といえます。
逃避スキルの開花です。

おかんに渡してきた事を伝えた数時間後。
雨です。
「雨!!」
俺は窓に飛びついて、庭で濡れていく招待状を想像して重い気持ちになりました。
事情を知らず、雨ねぇ、と大して気にも留めないおかんに、招待状を庭に放置してきたことを正直に打ち明けることもできず、ますます重い気持ちになってました。
小さな嘘で自滅スキルの開花です。

誕生日。
あーちゃんは招待状片手に、うちに来てくれました。
絶対に来なくて、おかんにどうやって言い訳をするかを泣きそうになりながら考えていたので、嬉しいとか言うより、ただ目を丸くして驚いてました。
まぁ今思えば、雨の前にあーちゃんの家族か誰かが見つけてくれたんだろうと想像はつきますが、「放置してきた+雨=招待状は届かなかった≒おかんに棍棒で峰打ちされる」
という方程式しか見出すことができず、絶望的な気分でいたのにこの結果。
人生、適当でもわりとどうにかなると学びました。
無責任スキルの開花です。

今頃どうしてるかなぁ。

2013/07/04 22:26 | Comments(0) | 日常

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