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2024/11/22 23:30 |
第24回 ジャパンショートトライアスロン赤穂大会 当日 その2
騙し騙し腕を回してみたり、ストレッチしてみるけど、痛みは一向に引かない。
しばらく試行錯誤してみたけど、経験則ではこれ系の痛みは数日続く事が分かってるし、もう諦めた。
手を伸ばさなければ、痛くないわけだし。挙手禁止。

スタート5分前。
スタートラインは水上にあり、そこで横に広がって、立ち泳ぎしながらスタートを待つ。
立ち泳ぎが不安な人は、さっきの桟橋からのスタートでも良いらしい。
俺もスタート2分前ぐらいに、スタートラインの端っこの方に到着。
周りのたくさんの人と、水面下ではうにょうにょと、一緒に立ち泳ぎ。
ウエットスーツを着ていない人は、浮力が無いのでかなり大変そう。

スタート1分前のコール。
「もういいよ。早くスタートしようよ」
と、うにょうにょしながら何人かで話す。
いよいよだなぁ。いよいよなんだなぁ。この日のためにスポーツジム通いしたんだよなぁ。
うにょうにょしながら、俺はそればっかり考えていた。
不安はほとんど無く、ワクワクしてた。

ついに、スタートの合図。
同時に先頭集団がザッパンザッパン泳いでいくのが見えた。
前が空かないと行けないわてら後続集団は、ツーテンポぐらい遅れてスタート。
さぁ、行くぞぉ!
ジムの「クロール中級」クラスで培った、この美しいフォームを見 痛ぇ!背中痛ぇぇ!
ゴババゴボベベボ!!
まてまて落ち着け俺。
手を伸ばすと痛いから、手はあまり伸ばさず、短くかいていこう。これでもちゃんと進むし。
大変だけど、顔が出てるから呼吸は楽。
ってか、こ、この泳法は!
顔を上げたまま手を水面下で短くかいて、足もジタバタさせて進んでく。これはまさか!!

どう見ても犬かきです。本当にありがとうございました。

トライアスロンの長い歴史の中でも、よもや犬かきをやった奴は、それほど多くはあるまい。
また伝説作っちまったか。

しばらくそうしていたんだけど、犬かきって結構体力使うのな。
疲れたので仕方なく、クロールに切り替える。
しばらく痛かったけど、いつの間にか痛みも感じなくなった。多分、生存に必死でそれどころじゃ無くなったんだと思う。

水が濁ってて、人とぶつかるまで接近に気付かない。
ガンガン人とぶつかるも、お互い様なので誰もいちいち謝ったりしない。

ずっと前を見ないで泳いでいると、とんでもない方向に向かって泳いでいたりする。
何回かに一回は顔を上げて、平泳ぎに切り替えて、方向を正しながら泳ぐ。
メガネ橋の下をくぐる時なんて、壁に激突しそうになったからね。
そのあたりはやっぱりみんな、顔上げて泳いでた。
それと、終始平泳ぎの人もいっぱいいたわ。

クロールクロールクロール、たまに顔を上げて軌道修正。
またクロールクロールクロール。
これをひたすら延々と繰り返す。
顔を上げるたびに、景色が前に進んでいて嬉しい。
250メートルのブイを折り返したとき、あ、わりと楽勝かも、と思った。

ふと振り返ってみると、後ろにほとんど人がいなかった。心なしか、ボートに乗ってるライフセーバーが、常に俺をマークしてくれているような..?
でも速度を上げることなんて出来ないので、ノロノロとマイペースに泳ぎ続ける。
橋をくぐる時、上から声援をかけられたりする。嬉しい。頑張っちゃう。

拍手

最後の直線で、なんか方向が見定められずに右往左往しながら、何とか泳ぎきる。
桟橋に這い上がると、重力がズドーンと俺にのしかかり、しばらく立ち上がれなかった。興奮しているから気付かなかったけど、ここで初めて、ものすごく疲れていることに気付いた。
でもやった!スイムを完泳した!これで生きながらえられる!

シャワーをじっくりと浴び、バイクの元へ。
さぁさぁ、これから楽しいバイクの時間。
ウエットスーツを脱ぎ、体を拭いてシャツを着、ショートパンツを履く。
靴下を履いて、バイク用の靴を履き、ヘルメットを装着。
トランジットエリアはバイクを押して移動。
みんながバイクを押していく時、バイク用靴で走る際の、カツカツカツという小気味よい音が聞こえる。俺もあとに続いて、バイクスタート位置へ。
ペダルと靴を固定させ、いざスタート。20キロの旅へ。

涼しい!シャワーで濡れた体に、自転車で風を受けて走ると、ムチャクチャ涼しい!
天気もいいし、公園内の道は平坦だし、色々と面白い景色も見られるし、これは楽しい!
おまけになんたって、呼吸できるからね。
5キロの周回コースを4周。
平均30キロペースを保てるように。
常に息を切らしている状態で。
回復するのと疲労するのと、ギリギリのラインを行き来しながら走る。
ほかの人と走るのも初めてなので、人のちょっと後ろにくっついて、観察したりもしてみる。
似たようなペースの人がいたので、後ろをついていく。すんごいスピードでカーブに突っ込んでいくなぁと思ってたら、思いっきりコースアウトして茂みに突っ込んで行った。
「だ、大丈夫ですか?」
減速しながら聞いてみたら、大丈夫大丈夫ー!と元気な声が返ってきたので、安心して先に行く。やっぱカーブは減速しないとな。これ以降ちょっと慎重になった。

しばらく走ってると、ママチャリに遭遇。もちろんカゴと荷台付き。
足の回転速度がマンガみたいになってて、ママチャリにしてはものすごい速度だった。
ヘルメットはロード用だから、あれネタでやってんだろな。こういう人好きだ。
すれ違いざまに
「ママチャリファィトー!」
と声をかけると、
「ギヅイ゛ーー!!」
と、必死な悲鳴が返ってきて、爆笑した。
チームなのか、ママチャリは2台遭遇した。どっちも抜かれまくっていたけど、速かった。

速い人はやっぱり、足の作りがぜんぜん違う。
ふくらはぎの部分がものすごく盛り上がっていて、肉食獣の足みたいになってんの。
膝、ふくらはぎ、足首のラインが、昭和の香り漂う表現でお伝えするならば、キュッ、ボン、キュッって感じ。
あれが伝説のゴールデンレッグか。

3周を過ぎ、残りあと1周。
ああ、もうすぐ終わってしまう。
もうずっとバイクでいいよ。もうすぐランがやってくる。
最後の一周は、ちょっと力抜き気味に走った。このせいで平均速度30キロ下回った。

ゴールして、さっきのトランジットに戻る。
バイクをかけて、靴をラン用に履き替え、ヘルメットを脱ぐ。
他にもしなきゃいけない事があるんじゃないかと、体をあちこち触ってみたけど、バイク→ランの切り替えはこれだけだった。

そしていよいよ最終種目、ラン開始。
俺ね、ラン5キロとか、なめてた。
だって俺はハーフマラソンとか走る人間ですよ?
それが5キロとかカッコワライ
小学生のマラソン大会じゃないんだから、いくらなんでも楽勝すぎね?とか思ってた。
うん、最初の50メートルぐらいでもうバテた。自転車で足、使い切った。
最初に、あのスイムでくぐった橋を走るんだけど、これがきつい坂なの。
登る方はまだいいんだけど、降りるほうがもう、足の踏ん張り利かなくて、ばったんばったん転げ落ちるかのように走る羽目になるの。
これが3周計3回。足もげるわ。

もうバテバテ。死ぬ。
周回ごとに給水に寄って、水をしこたま飲んだ。
ポカリもあったけど、水に対してポカリ1%って感じで、ものすごく貧乏な家庭のカルピスみたいで切なくなった。
でも走ってるうちに、ようやく足がラン向けに切り替えられてきたみたいで、後半は楽になった。

そして最後は、JKっぽい女子2人が広げてくれたテープに身を躍らせ、レースは終了。
達成感はそれほど感じなかったけど、とにかく楽しくて、完走できた事が嬉しかった。
あれだけ不安だったスイムも、わりと楽にこなせたし。
まさに「案ずるより産むが安し」
これはイケるな。うん。なんとかなる。
多分、プールで50メートルぐらい泳げるなら、誰でもトライアスロン(ショート)出来ると思うわ。

でも終わってから、忘れていた背中の痛みが強烈になってきた。
もういいよ、いくら痛くなってくれても、陸だし呼吸できるし。
よく頑張ってくれた、俺の体。


俺の記録は
スイム 17分34秒(500m)
バイク 41分28秒(20km)
ラン  24分35秒(5km)
総合順位 77位/127
年代別  32位/47
でした。

最後に、一通りの流れと準備について、まとめ。

一例として、俺の格好は
◇会場に入る際
格好
・トライアスロンパンツ(海パンツのようなもの。最初から最後まで着っぱなし)
・普通のズボン
・普通のTシャツ
・裸足にサンダル

◇スイム
ズボン、シャツを脱ぐ。うら若き女性もたくさんいるエリアで、一時的にパンツ(トライアスロンパンツ)だけになる。
・ウエットスーツ
・裸足
・支給された番号入りスイムキャップ

◇スイム→バイク
シャワーを浴びて、スイムキャップを返す。
ウエットスーツを脱ぐ。
・トライアスロンパンツの上にショートジャージ(下)を履く。これは別に要らなかったかも。
・ドライ系Tシャツ。支給された自動計測用チップ付きゼッケンを付けておく。
・靴下、バイク用靴

◇バイク→ラン
・靴をバイク用からラン用へ。

こんな感じ。

さぁ次は、オリンピックディスタンスだな!
ゆくゆくは、本物の鉄人レース(ロング・ディスタンス)も出たいなー。
こんなレースもあるらしいよ。
佐渡国際トライアスロン大会Aタイプ(水泳3.8km・自転車190km・マラソン42.2km、合計236km、制限時間15時間30分)

ちょっと頭おかしいよね。ワクワクするよね。

2011/07/24 21:19 | Comments(0) | TrackBack() | スポーツ

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