正月明け。
餅のせいで腰が重いまま、大学病院へ。
口の中をあっちゃこっちゃいじくられたり、レントゲンを撮られたりする。
大学病院全体が大混雑。待合室はイスに座れないぐらいの患者達が。
口腔外科も何故か大盛況。
世の中、こんなにアゴ方面が悪い人がいるのか？
５分行動して１時間待つ、そんな感じで、ただの検査に結局１日仕事。どーなってんだ。
しかもレントゲンと撮ってくれた若いにーちゃん、新人だったらしく、できあがったレントゲンを見た年輩医師に、すんげー怒られてるし。
猛烈に怒鳴った１秒後に、笑顔で俺に話しかけ、再度撮影。
おおおー医者ってこえー。いろんな意味でこえー。
この日は検査だけで終了。
数週間空けて、アゴ戦士再び参上。
待たせたな！
担当となるらしい先生に、これからの作業の流れを確認する。
大体は、昔に言われたのと同じ様な話。
具体的にもう少しつっこんでもらった話を聞いたのだが、以後の流れは以下のようになる。
１．
まず、歯科矯正を行う。歯にぐるぐる針金を巻き付けまくって、歯を正常な位置にもってくる。
ただし、アゴの位置がおかしいまま、歯だけを正しい位置に持ってくることはできないので、歯の転移先はアゴを後で移動させることを前提とした位置となる。だから、むしろ今より見た目が悪化する事もなきにしもあらず。
これが、１年～３年ぐらいかかるらしい。
３年て！桃栗も実を結ぶで。
個人差があるので、かかる時間はまちまち。
俺ってこう言うの、大抵ワーストケースなんだよな。人生丸ごとそんな感じ。
２．
いよいよ手術。オペを開始します。よろしくお願いします。メス！クーペ！ダイナマイト！
下アゴ、上アゴ、それぞれを正しい位置に持ってくる、口内お引っ越し大作戦。
耳の近くにある、下顎に被さってるホネを割って、鼻を割ると、下顎が取り外し可能になるらしい。
その状態で、正しい位置に移動させて、割ったホネを緩衝材（あのワレモノとかを包む、ぷちぷち）代わりに使い、
ぴたっと止める。ゴムで止めて自然治癒を待つ。
この時むき出しの神経を傷つけないように～とかキリのような物で頭蓋骨に穴を開けて～とか
一体どこのホラー映画の台本引用してんだってな事を、流れるように写真や模型を交えながら話す先生。
俺もうダメ。そう言うの想像するだけで吐き気とかしちゃってダメなんです。この時点で救急車呼んで欲しかった。もう病院だけど。
肉体労働系バイト２ヶ月休み無しでぶっ通してもヘッチャラな俺だったけど、保健体育で静脈と動脈とかの話を聞いただけで、倒れた過去もあるんです。
この時血が大量に出る場合があるから、事前に自分の血を保存しておいて、万が一の時に自分の血を輸血するらしい。これは骨髄バンクに登録した時にも聞いたはなしだから、あまり真剣に聞かずに済んだ。
もっとも、健康診断の血液検査でぶっ倒れたこともある俺が、果たして輸血に必要な血液を採る段階で、意識を持ち続けていられるだろーか？
それも全身麻酔後でお願いしたいわホンマ。輸血後、麻酔かかってまうけど。
で、術前後も含めて、入院が３～４週間。
なげーよ。
入院ってしたことないけど、想像するだにヒマそうやん。それが４週間も。
しかも決定的なことに、当たり前だが入院期間中は喋れない！
ただいま包帯ぐるぐるのミイラ男キャンペーン中！ 無駄口率１００％ＯＦＦ！ ポロリもあるよ！
こっ、この俺が４週間も喋れないなんて。死活問題。
当然、人生初。それどころか、眠ってるとき以外は５秒と黙れないこの俺が、４週間もももも。
口げんかだけは誰にも負けたことがなかったのに。関係ないけど。
まずは歯科矯正です。
次へ。
