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2024/11/22 23:13 |
暇に耐える能力
大学1回生 18歳の頃やってたバイト。

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相変わらず金の無い俺は、同じく貧相な友達を連れて、新しいバイトの面接に向かった。
面接が終わり、数日後、俺たちは採用が決まった。

仕事は警備員である。
とある大型デパートの駐車場を、車の流れを円滑にするため、あっちへ行けこっちへ行けとやるアレである。
駐車場の中よりもむしろ、道路に面した入り口出口を受け持つことが多かった。

とにかくこの仕事、「暇」。

車がこなけりゃ、ただ立っているだけ。
かといって持ち場を離れるわけには行かないので、する事と言えば熊のように数メートルの区間をウロウロするとか、赤い誘導棒をくるくる振り回してウイー気分を満喫するか、得意の妄想の世界に浸りまくるぐらいしか、する事が無い。

この駐車場はかなりでかく、俺たちバイトはそれぞれ一日の持ち場を与えられて、そこから離れるときは、休憩で交代が来たときのみであった。
だから基本的にオンリーアローン。仲間と話をすることもできない。
暇で暇で今世紀最大級の暇さであった。
加えて、同じ場所にずっと突っ立っているので、足が猛烈に痛くなる。
これもまた辛かった。

持ち場によっても、暇度は大きく違った。
駐車場内は、開店時には車がガンガン来るので忙しいが、大体埋まってしまうと、後はそれほど忙しくもない。
が、駐車場の裏出口などに配備されてしまうと、本当にめったに車が来ない。
そもそも、めったに使われる事が無いから裏出口なのであって、人が来ない事は仕様である。

暇よりは忙しい方がマシだが、忙しければ良いのかと言われれば、実はそうでもなかった。
車が集中するところにいると、渋滞や鈍くさい車などへの怒りが、何故かみんなこっちに集中するのである。
ガラの悪い阿呆は、交通の流れを円滑にするために止まってもらったりすると、猛烈にクラクションを鳴らし
罵詈雑言を発してきたりする。

最初のうちこそ、その暴言にビビって道を空けてしまい、更に渋滞を引き起こしたりしていた。
が、人間はいかな環境におかれても、やがて慣れてくる。
そうなると、背中ギリギリの位置で大型トラックにクラクション鳴らされまくっても、893みてーな運転手にぬっころすとか言われても、超余裕ー、マジウケルシーってなレベルでスルー。

トラックは大抵ガラの悪い奴が多いので、面倒な事を避けるために止めるようなことは滅多にしないのだが、たまに自ら止まってくれるトラックとかがいたりすると、かなりビックリする。
あれだ、素行不良な奴がたまに良い事すると、いきなり「あいつって、キリストの生まれ変わりじゃねーの?」と言われたりするのと一緒だ。

警備員は、足が痛くて暇で言葉の脅しに強くなる仕事です。

2007/04/20 12:21 | Comments(0) | TrackBack() | 仕事

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