俺が、中学生の頃の話。
同じクラスに、ひときわ光り輝く女子がいました。
いや、物理的にではなくて。
今思い返しても彼女は、まとっているオーラが凡人共とは違う、という感じでした。
彼女は、その存在感が群を抜いていました。
顔やスタイルといった外見でなら、もっと目立つ奴はいましたけども。俺とか。悪い意味で。
しっかりした自分という軸を持ってましたし、誰にでも好かれ、誰にでも優しい。
当然、俺もひそかに彼女に憧れたうちの一人でした。
ある日。
クラスの学級委員長を決める事となりました。
当然のことながら、彼女は他のクラスメートに推薦されまくりました。
半分以上は、そんな面倒くさそうな役を、自分がやりたくないからという理由もあったと思いますが、そういった役をするなら彼女がふさわしいと、誰しも感じていたと思います。
多数決が取られ、予想通り圧倒的大差で、彼女が選ばれました。
その時彼女は、突然静かに立ちあがると、とうとうと語り始めました。
私には、どうしても叶えたい夢がある。
その夢のためには、放課後の時間などを割くわけには行かない。
気持ちは嬉しいが、辞退させて欲しい。
といった事を10分以上かけて、精一杯アホな凡人どもにも伝わるように、丁寧に説明してました。静かになった教室に、たった一人で、よく通る声で。
その後、先生の提案により、もう一度多数決を取ることになりました。
正直、感動しました。
今までそんな事言う人、見たことありませんでしたし。
特に中学生時分なんて、
「決められたことは従うもの」
という図式しかありえませんでした。
全体の意思を自分の意見で変えられるなんて、思っても見ませんでした。
やっぱ彼女はスゲェわ。別格だわ。
俺を含め、多数の人がそう感じたわけです。
だから、わざわざもう一度多数決を取ったにもかかわらず、票数は減ったものの、また彼女が選ばれてしまいました。
俺も彼女に入れてました。
彼女は、ちょっと泣きそうになってました。
するとこれまた唐突に、クラス1のDQNが
「なら俺がやるわ。あれだけ言っても入れるとか、入れた奴なんなの?可哀想すぎるやろ。そんなんやったら、もう俺がやるわ」
と、言い放ちました。
短くてつたない言葉でしたけど、ありえないほどカッコよかったです。
しょっちゅう授業をサボったり、ドカタみたいなズボンで周囲を威嚇する、社会不適合者一直線のDQNであるはずの彼が、彼女の身代わりになったわけです。
同時に俺は、自分を恥じました。
DQNの言うとおり、この時するべきことは、彼女の夢を応援することだったはず。
傍観でもいいけど、せめて足をひっぱるような結果になることは、避けるべきだったのに。
流石のアホの子である俺も、大いに反省しました。
そして少しだけ、DQNを見直しましたが昼休みに焼きそばパン買いに行かされたので撤回しました。
この時、決めました。
誰でも出来るけど、面倒で誰もやりたがらないような事があれば、進んで手を上げるようにしよう、と。二の足を踏みそうになったら、あの時のDQNのかっこよさを思い出して、背中を押してもらってます。
そうして今日も、雑用は増える。
でもいいの。かっこいいはずだから。
はずだから...はず...だといいなぁ。
同じクラスに、ひときわ光り輝く女子がいました。
いや、物理的にではなくて。
今思い返しても彼女は、まとっているオーラが凡人共とは違う、という感じでした。
彼女は、その存在感が群を抜いていました。
顔やスタイルといった外見でなら、もっと目立つ奴はいましたけども。俺とか。悪い意味で。
しっかりした自分という軸を持ってましたし、誰にでも好かれ、誰にでも優しい。
当然、俺もひそかに彼女に憧れたうちの一人でした。
ある日。
クラスの学級委員長を決める事となりました。
当然のことながら、彼女は他のクラスメートに推薦されまくりました。
半分以上は、そんな面倒くさそうな役を、自分がやりたくないからという理由もあったと思いますが、そういった役をするなら彼女がふさわしいと、誰しも感じていたと思います。
多数決が取られ、予想通り圧倒的大差で、彼女が選ばれました。
その時彼女は、突然静かに立ちあがると、とうとうと語り始めました。
私には、どうしても叶えたい夢がある。
その夢のためには、放課後の時間などを割くわけには行かない。
気持ちは嬉しいが、辞退させて欲しい。
といった事を10分以上かけて、精一杯アホな凡人どもにも伝わるように、丁寧に説明してました。静かになった教室に、たった一人で、よく通る声で。
その後、先生の提案により、もう一度多数決を取ることになりました。
正直、感動しました。
今までそんな事言う人、見たことありませんでしたし。
特に中学生時分なんて、
「決められたことは従うもの」
という図式しかありえませんでした。
全体の意思を自分の意見で変えられるなんて、思っても見ませんでした。
やっぱ彼女はスゲェわ。別格だわ。
俺を含め、多数の人がそう感じたわけです。
だから、わざわざもう一度多数決を取ったにもかかわらず、票数は減ったものの、また彼女が選ばれてしまいました。
俺も彼女に入れてました。
彼女は、ちょっと泣きそうになってました。
するとこれまた唐突に、クラス1のDQNが
「なら俺がやるわ。あれだけ言っても入れるとか、入れた奴なんなの?可哀想すぎるやろ。そんなんやったら、もう俺がやるわ」
と、言い放ちました。
短くてつたない言葉でしたけど、ありえないほどカッコよかったです。
しょっちゅう授業をサボったり、ドカタみたいなズボンで周囲を威嚇する、社会不適合者一直線のDQNであるはずの彼が、彼女の身代わりになったわけです。
同時に俺は、自分を恥じました。
DQNの言うとおり、この時するべきことは、彼女の夢を応援することだったはず。
傍観でもいいけど、せめて足をひっぱるような結果になることは、避けるべきだったのに。
流石のアホの子である俺も、大いに反省しました。
そして少しだけ、DQNを見直しましたが昼休みに焼きそばパン買いに行かされたので撤回しました。
この時、決めました。
誰でも出来るけど、面倒で誰もやりたがらないような事があれば、進んで手を上げるようにしよう、と。二の足を踏みそうになったら、あの時のDQNのかっこよさを思い出して、背中を押してもらってます。
そうして今日も、雑用は増える。
でもいいの。かっこいいはずだから。
はずだから...はず...だといいなぁ。