愛娘にさよならを---刑事 雪平夏見
「たのしみにしています。ひとごろし、がんばってください」
「ひとごろし、がんばりました」
型破りな雪平刑事が、犯人に腕を折られたり娘に説教されたり事件を解決したりする話。
映画やドラマになってる「アンフェア」と同じ世界の話。
映像を見たせいで、「雪平刑事=篠原涼子」のイメージで固定化されちゃってます。
犯人逮捕以外には無頓着な雪平刑事は、そのせいで家庭がむちゃくちゃになってるんですが、毎回毎回娘にひどい扱いを受けてる気がする。娘の歳がわからんのでアレだけど、親の仕事に理解を示さないのは幼いからということにするにしても、それにしては説教の内容が完全に大人のそれ。
このシリーズに大抵毎回ある、娘から一方的に怒られる説教シーンだけは、すんごい違和感がある。
あと、これまた大抵毎回ある「間」の表現。
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彼が私に銃を向ける。
私も彼に銃を向ける。
彼が撃たない事は分かっていた。
彼が撃てない事は分かっていた。
それでも。
私は。
(ページ切り替え)
彼を撃った。
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的な。
秀逸といえば秀逸な、文章における「間」の表現方法だと思うし、実際にページをめくるときハラハラすんですが。
昔のブログやWEB日記に多かった、たった3行ぐらいの内容に空白行をアホみたいに多用して、無理矢理長く見せてるのがよくあったんですが、そういった粗悪な「間」のイメージがどーしても強くて、紙面を冷静に見てみると切ない気分に。
まぁでも、雪平シリーズは鉄板す。
相変わらず面白いです。