俺のおみや

とりあえずイルミネーションを消すところからはじめようか。
な？
出来るところからコツコツと。あんたはやれば出来る子だ。

なんだかクリスマスという１年の１／３６５にしか過ぎない日のために、街がにぎやかになってくる今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、クリスマスは今年限りで終了というお触れがイエス様より発せられたわけですが、なくなるともなるとちょっと寂しくもぜんぜん思わないわけですが、せっかくですからちょっと思い出話でもしましょうか。

あれは１０年ほど前。
大学生の頃です。

当時、仲のよかった男４人で、クリスマスまでになんとか彼女を作ろうって話になりましてね。
今と違って色気づいていた俺も、意気揚々と参戦しました。
その方法として、各自それぞれが１回ずつ合コンを開く、という非常に画期的なものでした（特許出願中）
１回で１人ずつ恋人になれば、４回でちょうど全員彼女もちになれるという、詐欺広告にありそうな、理系らしいうたい文句で計画がスタートしました。

まぁ、結果として俺以外の３人が、あっさり２回目の合コンまでに全員彼女できてしまいましてね。
俺だけ彼女どころか、誰一人として仲良くもすらなってない状態。成果は嘘のポケベル番号２つゲットしただけ。
仲間内で(ノ∀｀)アチャーこいつどうすんの？みたいな空気になってたわけですよ。
うん。氏にたかった。

もうね、ほっといてほしかった。
俺はクリスマスは１人、本屋で鉄道模型の雑誌でも立ち読みしながら過ごすよと思ってたんです。
にもかかわらず、奴らは色々と世話を焼いてくれるんですよね。
もうその優しさが痛かった。

まぁゆーても、奴等とは変わらず仲良くしていたんです。
そしたらそのうちの１人の女子が、友達紹介するとかいう話になりましてね。
合計８人、俺とその未知の女を含んで、その他は全員カップルという、俺だけのためのフィールドをセッティングしてくれたんです。
もうその優しさが痛かった。

当日。
まぁわても男ですし。そりゃあ多少は期待しますわな。
その紹介してくれた子もわりかし可愛いですし、友達も可愛いらしいので。
しかし俺は分かってなかった。
女の言う女に対する「可愛い」は、全く全然これっぽっちも当てにならないということを。
男としてはもはや常識レベルであるこんな事項すら、google先生の無い時代の俺には分からなかったんだ。

結果として、凄いのがきましてね。
まぁ俺かてブサイクですし性格も悪いんで、人のこととやかく言えませんけどあれは凄い。
街ですれ違ったら、振り返ってしまうレベル。悪い意味で。

芸能人で言うと、ケンシロウにそっくりでしてね。
眉毛がものすごく太くて、妙に筋肉質で凄く強そうだった。
ものすごく太っていて、妊娠８６ヶ月目ですと言われても否定できない腹具合で、メタボの創始者って感じでした。
空手と柔道合わせて５級とか、凄いのか凄くないのかよく分からない事も言うてました。
性格も今で言うオタクとか腐女子とかいうやつで、よくわからないアニメの話とかされました。
この時初めて、ガンダムっていっぱい種類があるんだってことを知りました。
ガンタンクみたいなあなたのおかげで、とても勉強になりました。
ついでに決定打だったのが、酒が入った後の声が、さかな君と林家パー子を掛けたような高音。思わず肩こりが治ってしまうそうなぐらいの高周波。
声フェチである俺の好みの、はるか斜め上に位置する声で、相手するのもうホント辛かったです。
男たちがみんな、生類憐みの令みたいな目をして俺を見てました。

後日、紹介してくれた女に聞いてみました。
この女の息の根を止める前に、これだけは聞いておこうと思ったんです。
「なぁ、あの子のどこが可愛いの？」
そしたらこう答えました。
「えーっと（２秒ほど間）手とか？」
今あんた、ものすごく考えたよNE！？
スーパーコンピュータなら問題１００億問ぐらい解けるぐらいの時間は考えたよNE！？
あんた紹介する前に「可愛い」って無責任に何度も言ったじゃんかYO！
ホント俺が座頭市なら、おめーサイコロステーキにしてんぞってな事を、平気でのたまうんですよ。

ちなみにその後しばらく、ストーカーされてました。
着信８５件とかザラでした。

女は怖い。
そしてクリスマスは廃止すべき。