俺のおみや

俺ね、暑さにはむちゃくちゃ弱いけど、寒さにはめっぽう強い。
部屋の温度が本日の最低気温を下回ってても、部屋の中で息が白くても平気。
冷蔵庫の外に置いておいた缶ジュースがうっすら凍ってたりする部屋だけど、昔から部屋に暖房器具は一切ないし、部屋で特に着込んでもいないけど、超平気。
イギリスに行ったときも、ストーブが壊れてみんなが次々授業バックレてく日でも、俺は余裕で最後までいた。
フランスで、もっとも寒い時期に一人旅したときにも、ほとんど無問題だった。

これはきっと、近畿のシベリアとか琵琶湖県とか呼ばれる、比較的寒冷地にお住まいなので、このように寒さに強いのだろうと思ってた。
もはや俺の耐寒能力は、世界でも十分通用するレベルであると自負してた。
自負してた。　そう、自負してたんだ．．（遠い目）

もうね、今年は秋ぐらいからヤバかった。
いきなり寒いし。
布団に包まっても、布団が自分の熱で暖かくなるまでの間に1024発ぐらいくしゃみするし、ガタガタ震えまくる。
着替えたら、その服の冷たさが耐えられず、その場でクロスハンドの練習をして暖をとらなきゃ凍死しかねないぐらい寒い。
部屋もむちゃくちゃ寒くて、俺の最終暖房器具である、イトコにもらったみっひーのひざ掛けを秋口から早くも導入する始末。
それでもぜんぜん寒い。僕なんだか眠くなってきたよ．．レベルには寒い。

バイクに乗っても、もう寒さに歯の根が合わないとか言うレベルじゃなくて、がったんがったん震えてる。メトロノームか俺かってぐらいは震えてる。
後ろから見たら、残像でいっぱい乗ってるように見えるぐらい小刻みにプルプル震えてる。

おかしい。こんなはずでは。
加齢だけでは説明つかんだろ。

色々と考えた結果、衝撃の事実が明らかになった予感。


俺ね。入院してたじゃないですか。うんしたんですよ。
そこで5キロほど痩せて、食生活とか体質が変わったせいで、退院してからも順調に痩せ続けて、入院前と比べると10キロ減ったんですよね。
つまり、10キロの肉のよろいがなくなってしまったわけなんです。
この脱肉のよろいのせいで、寒さにむちゃくちゃ弱くなってしまったみたいなんです。
このよろい、今までいくら捨てようとしても
「それをすてるなんてとんでもない！」
とかどこからともなく言われ続けてきて、いざ命削って捨ててみたらさらに命を削りかねない有様。

そーか。俺が寒さに強かったのは、この肉のよろいのおかげだったんだな。
ドーピングしてるくせに、俺の部屋が寒いと抜かす軟弱者どもを鼻で笑ってごめんなさい。
早速、暖房器具を買いに行くよ。生まれて初めて暖房器具を買いに行くよ。