最初に思ったのは、ダルイ、というか、ものすげーかったるい。そんな感じ。
もう何もしたくない。息をするのもめんどくさい。俺のことはほっといてくれよー。超無気力。
麻酔の間は当然意識が無く、寝て起きたら今って感じなんだけど、それでもなんとなくあれから時間が経った事が分かってた。
そんなニートレベルで無気力な俺に、何度も呼びかける人がいる。
女性の声。しかもちょっと好みの声。ちょっとテンション上がる。
まぁあんたがそこまで言うなら?目覚めてやっても?いいんだけど?モルディブがいいよね?新婚旅行は。
とりあえず、重い重いまぶたを開く。
さっきの女性に、右手を握ってみてくださいと言われたので、右手の中にあった腕を軽く握ってみる。
てっきりその女性の腕が差し出されてるのかと思って、俺の右手も「対女性用」の期待を込めて握ったのに、普通に毛深い男の腕でした。もう右手も俺も超ガッカリ。
ガッカリしすぎて、危うくもう一回意識が落ちるところだったわ。
なにすんねん。ホンマ女は怖いわ。
それから何度か呼びかけられ、分かりますかとか首を動かせとか色々言われる。
その通りにしていると、意識が戻ったことが確認されたらしく、鼻から入れている呼吸用のチューブが抜かれる。
なすがままに抜かれる。
鼻から喉にかけて入っていた異物が、ズルっと抜かれる。
予想通りオエってなった。
しかもそれは、予想以上に長かった。
この管のせいで、喉の痛みを訴える人が半分ぐらいいるらしいが、俺はたまたま痛くないほうだったらしい。
特にその後、苦痛は無かった。
そしてここでようやく気が付いた。
口が、びた一文開けない。
唇は開くんだけど、歯が完全に固定されている感じ。
腕には点滴。
口は歯が固定され、唇の両端から管が出ている。
これは、口の中に溜まる血液を、外に出すための管だそうな。
なるほど赤い血が管の中に溜まっている。
管は箱に繋がっていて、そこにぽたぽたと血が溜まっている。
その時の俺の口はこんな感じ。
ややグロいので注意。
これ
ギャー。
この通り、口がまったく動かない。
外科手術にて、アゴの位置を正しくしたわけだが、手術したらハイ終了とはいかない。
これまで30年間無駄に生きてきて、間違ったアゴの位置を筋肉は記憶しており、手術で正しい位置にしたとしても、当分は元の位置に戻そうとする力が働くのだ。
無駄なところに力を発揮するのは、非常に俺のパーツらしいところだ。
だから、この位置が本当のアゴ位置であることを、体が覚えこむまで、このような矯正が必要になる。
あと、尿道からも管が伸びてる。
これがまた非常にイヤンな代物で、別に痛いわけじゃないんだけど、なんとなくモヤモヤする。
小のほうを、常に催しているような。
常にトイレに行きたいような、出そうで出ないような。
そんな感じで、なんとなくモヤモヤ。
あと、股間から管が出ているというのは物理的に邪魔。
さすがにひっぱられたりすると、男性特有の問題の一品も引っ張られることになり、地味に痛い。
寝返りを打つときも、いちいち管の位置を把握して寝返りしないと、引っ張られてギャーってな破目になる。
ひとりSMごっこが楽しめる状態であるが、あまり遊びたい気分ではなかったのが正直なところ。
手術室から、今度はストレッチャーに載せられて、ルームサービスみたいに院内を運ばれる。
意識が朦朧としていたので、なにぶんあまりよく覚えていないが、エレベータに乗って病室に行ったような気がする。
あと、心配そうな顔したおかんが、そのエレベータに乗っていたような気がする。
病室について、何人かで持ち上げられて、ベットに移されたような気がする。
酸素マスクがつけられていて、これが非常に邪魔。
あと3時間すれば外すと言ってもらえているが、邪魔でしょーがない。
出てきている酸素を吸っても、べつにウマいものではない。
酸素て、早朝の高原みたいな、いわゆるウマイ空気なのかと思っていたのに、普通に空気なのな。
効果あるんだか無いんだかさっぱりわからんが、まずはこれが取れる3時間後をひたすら待った。
家族が来ていて、色々と世話を焼いてくれる。
どうやら、手術の時間が予定より1時間以上長く、心配したらしい。
1時間も伸びてるのに、何の説明も無かったと、姉貴は憤慨してた。俺はその時寝てた。
点滴と口からは血の管と、尿の管。
加えて顔の腫れを抑えるゴムバンドみたいなものが顔に巻かれており、俺の顔をおもくそ締め付ける。
小顔矯正しているみてーだ。
ちなみにこのゴムバンド、6000円もするのな。
ほかに使い道が無いかと、家族で色々思案した結果、各自それぞれ小さくしたいところに巻くことになった。
腹とか。
術後の俺。
(プライバシー保護のため、音声を変更しております。また、見合い写真レベルの究極美化を施しております)
唇に、常にこの管が触れており、口が閉じれないので、唇がものすごく荒れた。
軟膏をもらって、ひたすらつけるように言われていたが、一進一退で常に荒れてた。
もちろんたびたび流血もしてたし、触れると痛いしで、後々までけっこー難儀した。
ちなみにこのとき、点滴されている痛み止めなどが効いているため、痛みはまったく無かった。
ただ酸素マスクとか管が、わずらわしいだけ。
あと、麻酔がまだ効いてるので、相変わらずかったるかった。
3時間経ち、ようやく酸素マスクは外された。
とりあえずひとつ減ると、それだけで嬉しい。
家族が帰って、病室に独りになる。
ここまでは、執刀医にすべてお任せするしかなく、俺のすることは無かった。
ここからが、俺の戦いになる。主に防戦一方だが。
時間の経過とともに、熱がじわじわ上がってきた。
体を切ると、入ってくる黴菌に対抗するために熱が出るのは当然であり、その話もされていた。
時間の経過とともに、ぐんぐん熱が高くなるが、特にアタマが痛いとかいうわけでもないし、ほっといた。
俺はこの時点では、高熱をナメてた。
まさかこの後、高熱地獄が待っているとも知らずに。
もう何もしたくない。息をするのもめんどくさい。俺のことはほっといてくれよー。超無気力。
麻酔の間は当然意識が無く、寝て起きたら今って感じなんだけど、それでもなんとなくあれから時間が経った事が分かってた。
そんなニートレベルで無気力な俺に、何度も呼びかける人がいる。
女性の声。しかもちょっと好みの声。ちょっとテンション上がる。
まぁあんたがそこまで言うなら?目覚めてやっても?いいんだけど?モルディブがいいよね?新婚旅行は。
とりあえず、重い重いまぶたを開く。
さっきの女性に、右手を握ってみてくださいと言われたので、右手の中にあった腕を軽く握ってみる。
てっきりその女性の腕が差し出されてるのかと思って、俺の右手も「対女性用」の期待を込めて握ったのに、普通に毛深い男の腕でした。もう右手も俺も超ガッカリ。
ガッカリしすぎて、危うくもう一回意識が落ちるところだったわ。
なにすんねん。ホンマ女は怖いわ。
それから何度か呼びかけられ、分かりますかとか首を動かせとか色々言われる。
その通りにしていると、意識が戻ったことが確認されたらしく、鼻から入れている呼吸用のチューブが抜かれる。
なすがままに抜かれる。
鼻から喉にかけて入っていた異物が、ズルっと抜かれる。
予想通りオエってなった。
しかもそれは、予想以上に長かった。
この管のせいで、喉の痛みを訴える人が半分ぐらいいるらしいが、俺はたまたま痛くないほうだったらしい。
特にその後、苦痛は無かった。
そしてここでようやく気が付いた。
口が、びた一文開けない。
唇は開くんだけど、歯が完全に固定されている感じ。
腕には点滴。
口は歯が固定され、唇の両端から管が出ている。
これは、口の中に溜まる血液を、外に出すための管だそうな。
なるほど赤い血が管の中に溜まっている。
管は箱に繋がっていて、そこにぽたぽたと血が溜まっている。
その時の俺の口はこんな感じ。
ややグロいので注意。
これ
ギャー。
この通り、口がまったく動かない。
外科手術にて、アゴの位置を正しくしたわけだが、手術したらハイ終了とはいかない。
これまで30年間無駄に生きてきて、間違ったアゴの位置を筋肉は記憶しており、手術で正しい位置にしたとしても、当分は元の位置に戻そうとする力が働くのだ。
無駄なところに力を発揮するのは、非常に俺のパーツらしいところだ。
だから、この位置が本当のアゴ位置であることを、体が覚えこむまで、このような矯正が必要になる。
あと、尿道からも管が伸びてる。
これがまた非常にイヤンな代物で、別に痛いわけじゃないんだけど、なんとなくモヤモヤする。
小のほうを、常に催しているような。
常にトイレに行きたいような、出そうで出ないような。
そんな感じで、なんとなくモヤモヤ。
あと、股間から管が出ているというのは物理的に邪魔。
さすがにひっぱられたりすると、男性特有の問題の一品も引っ張られることになり、地味に痛い。
寝返りを打つときも、いちいち管の位置を把握して寝返りしないと、引っ張られてギャーってな破目になる。
ひとりSMごっこが楽しめる状態であるが、あまり遊びたい気分ではなかったのが正直なところ。
手術室から、今度はストレッチャーに載せられて、ルームサービスみたいに院内を運ばれる。
意識が朦朧としていたので、なにぶんあまりよく覚えていないが、エレベータに乗って病室に行ったような気がする。
あと、心配そうな顔したおかんが、そのエレベータに乗っていたような気がする。
病室について、何人かで持ち上げられて、ベットに移されたような気がする。
酸素マスクがつけられていて、これが非常に邪魔。
あと3時間すれば外すと言ってもらえているが、邪魔でしょーがない。
出てきている酸素を吸っても、べつにウマいものではない。
酸素て、早朝の高原みたいな、いわゆるウマイ空気なのかと思っていたのに、普通に空気なのな。
効果あるんだか無いんだかさっぱりわからんが、まずはこれが取れる3時間後をひたすら待った。
家族が来ていて、色々と世話を焼いてくれる。
どうやら、手術の時間が予定より1時間以上長く、心配したらしい。
1時間も伸びてるのに、何の説明も無かったと、姉貴は憤慨してた。俺はその時寝てた。
点滴と口からは血の管と、尿の管。
加えて顔の腫れを抑えるゴムバンドみたいなものが顔に巻かれており、俺の顔をおもくそ締め付ける。
小顔矯正しているみてーだ。
ちなみにこのゴムバンド、6000円もするのな。
ほかに使い道が無いかと、家族で色々思案した結果、各自それぞれ小さくしたいところに巻くことになった。
腹とか。
術後の俺。
(プライバシー保護のため、音声を変更しております。また、見合い写真レベルの究極美化を施しております)
唇に、常にこの管が触れており、口が閉じれないので、唇がものすごく荒れた。
軟膏をもらって、ひたすらつけるように言われていたが、一進一退で常に荒れてた。
もちろんたびたび流血もしてたし、触れると痛いしで、後々までけっこー難儀した。
ちなみにこのとき、点滴されている痛み止めなどが効いているため、痛みはまったく無かった。
ただ酸素マスクとか管が、わずらわしいだけ。
あと、麻酔がまだ効いてるので、相変わらずかったるかった。
3時間経ち、ようやく酸素マスクは外された。
とりあえずひとつ減ると、それだけで嬉しい。
家族が帰って、病室に独りになる。
ここまでは、執刀医にすべてお任せするしかなく、俺のすることは無かった。
ここからが、俺の戦いになる。主に防戦一方だが。
時間の経過とともに、熱がじわじわ上がってきた。
体を切ると、入ってくる黴菌に対抗するために熱が出るのは当然であり、その話もされていた。
時間の経過とともに、ぐんぐん熱が高くなるが、特にアタマが痛いとかいうわけでもないし、ほっといた。
俺はこの時点では、高熱をナメてた。
まさかこの後、高熱地獄が待っているとも知らずに。
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