俺のおみや

基本的に、魚は嫌いでした。
大してウマくもないのに、骨ばかりざくざくと刺さりやがってと、嫌悪すらしてました。

ところがところが。
昨年の秋、なんとなく秋刀魚を食べてみたところ。

もうね、ウマ過ぎ。しかも安い。
普段掃除が面倒で、ほとんど使った事の無いグリルは、この瞬間主役に躍り出てました。

それからはもう、毎日のようにサンマ食べてました。
この秋だけで、水族館の水槽ひとつ分ぐらいのサンマは食ったと思います。

ほいでこの間、福井の温泉に行きましてね。
そこでカニを食べたんです。

昔から、カニは基本的に剥き役で、向き役としてはかなりハイレベルだと自負していたんです。
ほとんどまともに食べた事も無いし、食べたけどどこがおいしいのか分からない。
カネテツデリカフーズの、カニかまぼこの方がウマいとすら思ってました。

でも、ここでちゃんとした、本物のカニを食ったところ。
もうね、旨過ぎ。でも高い。
調子に乗って、かにみそってのも見よう見まねで食ってみたら、もうバカウマ。
カニの知識を吸い尽くす勢いで食いつくし、最終的に横歩きしか出来なくなるほど食いました。

更に、やまいも。
これを摩り下ろした食べ物があるじゃないですか。卵とか醤油とかかけて食うあれ。
子供の頃、これが大嫌いでしてね。
食感もキモいし、味は辛いし、なんか顔かゆいし。
これが食卓に出ると横にスルーパスして、おかんにブン殴られるというのが、いつものコースでした。

ちょっと前に山の中の宿に泊まった時に、これが出たんですよね。
恐る恐る食ってみたところ。
もうね、ウマ過ぎ。でも手間かかる。

あと、熊本に行った時に、馬刺しを初めて食べたんですが。
もうね、馬過ぎ。高かったけど。

これはもう、味覚の変化と言って間違いないかと思います。
そういえばふと気づけば、昔とは全然違う食の好みになっているなーと。
内面は成長してませんが、体は確実に成長、というか老化してるなーと。

そんな事を、今まで毛嫌いしていた食い物のおいしさによって、知ってしまいました。