俺のおみや

テトリス。
かつて、俺は最強だった。

大昔の話なんですが、俺が昼よりも夜に重きを置いて生活していた頃。
ネット仲間に、ネット対戦テトリスに誘われて、参加したんです。

そして、波来る対戦者どもをちぎっては投げちぎっては投げ、無敗の帝王として君臨し続けた。

俺のテトリスはゲームボーイ時代から始まる。
もうひたすらにプレイしまくった。
あまりの使用頻度で、液晶が壊れ、１/３ぐらいしか見えなくなってもわずかに見えるブロックから状況を瞬時に把握し、着々とブロックを消していけた。
あの集中力を１パーセントでも勉強につぎ込めば、今頃ダメプログラマぐらいには成れただろうに。

そんな、テトリスの上手さもあったが、それより何より俺が常勝していたのは、あまりにも性格が悪かったせいである。

このテトリスは普通のテトリスと違い、ブロックを消すとアイテムが手に入る。
そのアイテムの使い方次第で、相手を不利にしたり、自分を有利にしたりすることが出来る。
これの使い方が、俺は最高に頭良かった。かつ、いやらしかった。
相手が最も嫌がり、かつ自分がもっとも有利になる使い方を次から次へと編み出し、対戦者を次々沈めた。
たとえば自分と相手のブロックを、そっくり交換できるアイテムが手に入ると、自分のブロックをわざとめちゃめちゃに積み、ギリギリで順調な相手と交換する。
もちろん、めちゃめちゃといっても、あっさり復帰できては意味が無い。
もう絶対修復不可能、あるいは修復に尋常でない時間がかかるように積み上げておく。
更に相手も同じアイテムを持っていた場合は、即座に返される可能性があるので、こちらもそれ相応の用意をしておく、もしくは相手のアイテムが尽きたことを予測し、そのタイミングで仕掛けるなど、明らかな頭脳プレイにより、俺は人の道を外れつつも勝利を収めまくってきた。

そして買いましたDSのテトリス。
１人でやってたら、５分で飽きました。
２人でやったら、あまりの実力差にむちゃなハンデをつける必要があり、対戦というよりどちらが先に積みあがるかという勝負になり、これも５分で終了。

あの頃の情熱は、もう無いわ．．．