上司に呼ばれた
その内容とは、本社のとあるプロジェクトに参加しないか?つーかしろ、という辞令だった。
本社で開発する人ってーのは、ソフトの精鋭たち。いうなればエリート。
っても所詮小さな会社での精鋭だから、外から見ると大した事無いんだけど。
それに来ないかと!おおおすげー。誤解続行中かよ。
当然俺は参加した。
そしてその日から、地獄のような日々が始まった。
出来ない事を出来ると大ぼらふきまくって来たツケが、ここでモロに出た。
上司が説明するプロジェクトの内容が、まったくもって何語で喋ってるのか理解できない。
実際の書類や、プログラムを見ても、何のことやらサッパリ。
俺が読破して世界取った気になっていた「あなたにもできる やさしいC言語入門」には、まったく書いてないことばかり。
ここから、絵に書いたような自転車操業のはじまりはじまり。
上司が、何言ってるのか分からないけど、とりあえず言われた事を書きとめ、ワカリマシタ任せて下さいと大ぼら。
終電まで仕事して、家に帰ってから必死に、本とかネットでその事を調べる。
ようやく理解して次の日、またわけのわからん事言われて、帰って泣きながら調べる。
それの繰り返し。
これまで何年かかっても読破できなかった専門書なんかも、1日で読破できるほど切羽詰ってた。
仕事は当然ミスだらけ。
同プロジェクトに参加している他メンバーのレベルも高く、1人だけすんげーお荷物になってる事は、流石の俺にも分かった。
毎日、怒られた。
毎日、自分のふがいなさが悔しくて泣いた。
俺がいかに、これまで勉強して無かったかと言う事が、嫌というほど分かった。
そんなギリギリの仕事状況が半年ほど続いた。
毎日終電だし、休みも一ヶ月ゼロとか普通にあるし、一晩で理解し切れず、消化できなかった不明点がどんどん増えていった。
さすがにもう限界だと思った。
上司と終電で帰る道すがら、それだけはすまいと思っていたのに、とうとう弱音を吐いてしまった。
もう俺には続けられそうにないです。
実は俺は、ハッタリ野郎だったんです。
知りもしない事を「出来る」と言って、ごまかしごまかしやってきましたが、もう無理です。
上司は最後まで黙って聞いた後、口を開いた。
つづき。
TOEICなんて書いてる場合じゃないよ~。
同僚も「続き読みたい~!」って。