朝、3時過ぎに起きてチャリをキコキコこいで、新聞屋の支店に向かう。
12月、真冬の午前3時というのは殺人的な寒さである。
当然思いっきり着込んでいるので、肉だるま状態。
非常にカッコ悪いが、この時間に知り合いに出会う可能性など0に近いので、カッコよりも暖かさ優先。
支店に着いてまずする事は、自分の配る分の新聞の枚数チェック。
既に、配る分は人の手により積み上げられている。
人間のやる事なのでミスは当然有り、時々新聞の数が少なかったり多かったりするのだ。
ここでもし気がつかないで出発してしまうと、後で取りに帰ったりする必要が出てくるので、何度も確かめる。
俺の配る量は、大体80部ほどであった。
雨の日は、これを全てビニールで包む。
80部全てを包むのはなかなかホネ。スネオ。
支店には『ビニールで包んじゃうぞマッスィーン』があって、これに新聞をポイと入れると、ビニールに包まれて出てくるという夢のような機械なのだが、一台しかないため朝は大渋滞。
そして新聞どもをバイクに積み込む。
そしてバイクのエンジンスタート。
しかし、カブのエンジンをかけようとしても、古いカブなのでスタータースイッチは既に壊れて動作しない。
だからキックでエンジンをかけるのだが、外は鼻水も凍結する真冬の深夜。
エンジンは、結婚5年目倦怠期の夫婦のように冷え切っていて、生半可なキックではエンジンがかからない。
最初のうちは、どーしてもエンジンがかけられなくて、30分ぐらい泣きそうになりながらキックし続けたこともあるけど、『奥義100烈キック』を編み出してからは、5分も有ればエンジンをかけられるようになりました。
それでも5分はかかるわけだけど。
仕事を始めてすぐには、当然配るべき家が分からない。
一週間は上の人が一緒に回ってくれるが、一週間後からは、自分一人で全てやらねばならない。
家の場所も覚えないといけないし、さらに配る新聞も10種類ぐらいあるので、どの家にどの新聞を配るのか、それも覚えなきゃ行けない。
俺はちょっぴりメガマックス級の方向音痴なので、まず家を覚えるのが相当相当本当に苦労した。
地元だから、知らない道ではないんだけど、迷路のような構造をした住宅をいちいち覚えてられるはずがない。
まずは地図をもらって、常に携帯し、一軒一軒確認しながら回った。
とにかく早く覚えなきゃ時間がかかってしょーがないので、大学に持っていって、講義に出席しながらも、地図をとりだして、どのルートで回るのがベストかを考え、道順を必死に別のノートに書き込んだりした。
また、前の日に走ったときに、それぞれの家の特徴も走り書きしておいて、それも書き込んだ。
『佐藤-朝日-ドア赤』とか。
出来上がったノートは、スパイの暗号のようであった。
そしてさらに、昼間にチャリを走らせて、その住宅地をノート片手に回り、家を頑張って覚えた。
涙ぐましい努力である。
だがここまでしないと、マジで家が分からないのだ。
こうしてなんとか毎日新聞を配った。
じっとしていても寒いのに、バイクに乗って突っ走ると、冷たい風が俺を優しく包んでくださって、凍死一歩手前の寒さになる。
表情も固定されて、鼻水も固定される。
時には最後の一軒になって、新聞が足りないことに気がついて、全ての家のポストを覗いて、二部入っている家を探しに行ったりしたことも。
当然こんな事も一度や二度ではない。
広告が薄い日は、新聞一部がかなり薄いので、二部手にとってしまい、間違って一軒に二部入れてしまったりする事が多々あった。
広告が厚い日は地獄である。
80部も集まると、かなり重い。
フラフラである。
しかも小さな郵便受けの場合、どんなに折り曲げても入らなかったりするのだ。
そんな家の新聞は、何度も折り曲げてトライするので、ぐちゃぐちゃになってしまうが、そんな事いちいちかまってられんので、許容範囲であると判断したら、そのまま放置。
やはり新聞配達の、最も恐ろしいイベントは正月の新聞であろう。
正月の新聞は、広告の量が半端ではない。
普段の2~3倍ぐらいの分厚さになるので、80部も一度に積むことが出来ない。
この日ばかりは、カブに一度に乗る新聞の量が、20部ぐらいになってしまうのだ。
店の人とポイントを決め、住宅地のあまり目に付かないところに、残りの新聞をポンと置いておいてもらう。
そして最初に積んだ20部を配り終えたら、逆ミツバチでそのポイントに行って、はさみを取り出してごそごそと新聞をばらして、また20部ほど積んで配りに行く。これを繰り返す。
偶然通った通行人などに見られると、めいっぱい不審人物である。
この日の新聞は果てしなく厚いので、ほとんどの家の郵便受けには入らない。
仕方なく玄関に置いていく。
普通の家ならあまり問題ないのだが、アパートでは、これをやってしまうと、かなりの確率で盗まれる。
だから、配り終えて朝になってから、住人から新聞が無いと苦情が来たりするのだ。
そんなときは、また配らねばならない。
ちゅーか、正月早々新聞なんか盗るなよ..
逆走で朝の3時に警察に捕まったり、職務質問されたり、ストーカーに目を付けられたりしたのも、今となってはいい思い出。
12月、真冬の午前3時というのは殺人的な寒さである。
当然思いっきり着込んでいるので、肉だるま状態。
非常にカッコ悪いが、この時間に知り合いに出会う可能性など0に近いので、カッコよりも暖かさ優先。
支店に着いてまずする事は、自分の配る分の新聞の枚数チェック。
既に、配る分は人の手により積み上げられている。
人間のやる事なのでミスは当然有り、時々新聞の数が少なかったり多かったりするのだ。
ここでもし気がつかないで出発してしまうと、後で取りに帰ったりする必要が出てくるので、何度も確かめる。
俺の配る量は、大体80部ほどであった。
雨の日は、これを全てビニールで包む。
80部全てを包むのはなかなかホネ。スネオ。
支店には『ビニールで包んじゃうぞマッスィーン』があって、これに新聞をポイと入れると、ビニールに包まれて出てくるという夢のような機械なのだが、一台しかないため朝は大渋滞。
そして新聞どもをバイクに積み込む。
そしてバイクのエンジンスタート。
しかし、カブのエンジンをかけようとしても、古いカブなのでスタータースイッチは既に壊れて動作しない。
だからキックでエンジンをかけるのだが、外は鼻水も凍結する真冬の深夜。
エンジンは、結婚5年目倦怠期の夫婦のように冷え切っていて、生半可なキックではエンジンがかからない。
最初のうちは、どーしてもエンジンがかけられなくて、30分ぐらい泣きそうになりながらキックし続けたこともあるけど、『奥義100烈キック』を編み出してからは、5分も有ればエンジンをかけられるようになりました。
それでも5分はかかるわけだけど。
仕事を始めてすぐには、当然配るべき家が分からない。
一週間は上の人が一緒に回ってくれるが、一週間後からは、自分一人で全てやらねばならない。
家の場所も覚えないといけないし、さらに配る新聞も10種類ぐらいあるので、どの家にどの新聞を配るのか、それも覚えなきゃ行けない。
俺はちょっぴりメガマックス級の方向音痴なので、まず家を覚えるのが相当相当本当に苦労した。
地元だから、知らない道ではないんだけど、迷路のような構造をした住宅をいちいち覚えてられるはずがない。
まずは地図をもらって、常に携帯し、一軒一軒確認しながら回った。
とにかく早く覚えなきゃ時間がかかってしょーがないので、大学に持っていって、講義に出席しながらも、地図をとりだして、どのルートで回るのがベストかを考え、道順を必死に別のノートに書き込んだりした。
また、前の日に走ったときに、それぞれの家の特徴も走り書きしておいて、それも書き込んだ。
『佐藤-朝日-ドア赤』とか。
出来上がったノートは、スパイの暗号のようであった。
そしてさらに、昼間にチャリを走らせて、その住宅地をノート片手に回り、家を頑張って覚えた。
涙ぐましい努力である。
だがここまでしないと、マジで家が分からないのだ。
こうしてなんとか毎日新聞を配った。
じっとしていても寒いのに、バイクに乗って突っ走ると、冷たい風が俺を優しく包んでくださって、凍死一歩手前の寒さになる。
表情も固定されて、鼻水も固定される。
時には最後の一軒になって、新聞が足りないことに気がついて、全ての家のポストを覗いて、二部入っている家を探しに行ったりしたことも。
当然こんな事も一度や二度ではない。
広告が薄い日は、新聞一部がかなり薄いので、二部手にとってしまい、間違って一軒に二部入れてしまったりする事が多々あった。
広告が厚い日は地獄である。
80部も集まると、かなり重い。
フラフラである。
しかも小さな郵便受けの場合、どんなに折り曲げても入らなかったりするのだ。
そんな家の新聞は、何度も折り曲げてトライするので、ぐちゃぐちゃになってしまうが、そんな事いちいちかまってられんので、許容範囲であると判断したら、そのまま放置。
やはり新聞配達の、最も恐ろしいイベントは正月の新聞であろう。
正月の新聞は、広告の量が半端ではない。
普段の2~3倍ぐらいの分厚さになるので、80部も一度に積むことが出来ない。
この日ばかりは、カブに一度に乗る新聞の量が、20部ぐらいになってしまうのだ。
店の人とポイントを決め、住宅地のあまり目に付かないところに、残りの新聞をポンと置いておいてもらう。
そして最初に積んだ20部を配り終えたら、逆ミツバチでそのポイントに行って、はさみを取り出してごそごそと新聞をばらして、また20部ほど積んで配りに行く。これを繰り返す。
偶然通った通行人などに見られると、めいっぱい不審人物である。
この日の新聞は果てしなく厚いので、ほとんどの家の郵便受けには入らない。
仕方なく玄関に置いていく。
普通の家ならあまり問題ないのだが、アパートでは、これをやってしまうと、かなりの確率で盗まれる。
だから、配り終えて朝になってから、住人から新聞が無いと苦情が来たりするのだ。
そんなときは、また配らねばならない。
ちゅーか、正月早々新聞なんか盗るなよ..
逆走で朝の3時に警察に捕まったり、職務質問されたり、ストーカーに目を付けられたりしたのも、今となってはいい思い出。
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