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2024/05/05 12:36 |
東北復興ボランティア隊 参戦記 その1
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そもそもが震災の復興ボランティアについては、参加する気なんてサラサラなかった。
あれは志の高い自己犠牲の精神に溢れる真面目な奴が行くものだし、俺が行っても役にたちそーも無いし。
で、

「俺じゃない誰かが行けばいい」

極端に言うと、こんな風に思ってました。
たまに周りの誰かが参加することを聞いても、よく頑張るねカッコワライというような、やや冷ややかな目で見ていたと思う。
震災による影響を直接受けなかった俺たちにとって、震災はあくまで対岸の火事であり、自分の財産や生活を削ってまで、被災者を助けようという考えを持つ人は、ごく一部の「特異な」人たちであると、ずっとそう思ってた。
俺のこの考えは多分、世間一般の標準的な考えであると今でも思う。

そんな俺の気持ちを少しだけ変えたのは、ここにもたびたび登場するグラム女でした。
彼女を含めた山仲間の3人で、昨年の3月中旬に登山計画をたててましたが、その直前になって、彼女が唐突にドタキャンをしてきましてね。
その後結局ドタキャンをドタキャンしてきやがりまして、行くことにはなったんですが。
その理由を、カツ丼と田舎のおっかさんを織り込みつつ問い詰めたところ、被災地に行こうとしていたことを涙ながらに白状しまして。
ただ、まだ現地の情報が錯綜している状態でしたから、結局行くのは止めて、お金だけ送ったそうで、それがドタキャンのドタキャンになったわけだそーです。

被災地にボランティアに?
前々からヘンな女だとは思っていたけど、やっぱり変わってるなーと思って話を聞いてました。
俺は、行きたいとわめく彼女に、
「今行っても現地が困るだろ」
「もっと受け入れ態勢が整ってから行くべき」
「免許も技術も無いのに、何が出来るの?止めとけ止めとけ」
などと、知った口でほざいてました。
この時俺が言ったのは正論かもしれないけど、何の価値も無いクソみたいな言葉だったと思う。

その時、友人がグラム女に
「被災地に行きたいんだ?」
と聞いた次の瞬間、彼女はちょっと食い気味に、

「そんなん当たり前やん」

と、強い口調で言い放ちましてね。
俺はそれを聞いて、正直感動しました。
困っている人の力になることを、骨髄反射で「当たり前」と言える人。
賢いつもりで、どこかで聞いたような「行かない理由」を連呼する俺とは、もう根本的に違う。

これを聞いてちょっとだけ、自分が恥ずかしくなりました。
そして、ちょっとグラム女を尊敬しました。残念ながら今もしてる。

ここで「じゃあ俺も!」とか成ったら美談なんですけど、そこはホレ、所詮俺ですからね。
他人に「あんた機械でできてんの?」と真顔で言われるほどの冷血漢、「自分にメリットが無い事はやらない」という信条を貫き、1か0かでしか物事を見れない、希望職種は自宅警備員な俺は、相変わらず自分が行く気は起こしませんでした。
ボランティア参加はあくまで「特別な人」がすることであり、彼女がその「特別な人」の仲間入りをしただけの話。俺には関係ないわ。
相変わらず、そんな考えを貫いてました。

ただ彼女の言葉で、心境が

「行くわけねーだろアホか」→「まぁそこまで言うのなら?行ってあげても?いい事も無いといわないことも無いこともやぶさかではないような?」

という僅かな変化があったことは間違いない。

後日。
ボランティアに参加した彼女から、いろんな土産話を聞きましてね。
そこで、大変だったり、悲しいこともたくさん有ったけど、老若男女いろんな出会いが有って、友達もいっぱい出来たと話してくれたんです。

「 老 若 男 女 と の 出 会 い が あ る」

俺の高性能な耳フィルターは、ここから老男を取っ払いました。
そこから導き出る方程式を理解した次の瞬間
「俺も行く!!!!111!!例え9人目のばーちゃんを殺してでも!!!」と固く固く決意しました。

いやいやお前ら誤解すんなよ。
俺は決してそこで女性と出会ってお友達からはじめちゃいますか的な期待するとかよこしまな気持ちでは全く無くてですね純粋に復興支援というか志を同じくする仲間と出会って人生に彩をとかいやここで言う彩ってのは人生の深みについての話であってこれは女に限らんくていやいや男に興味があるってわけじゃないんですけどいや最近はあまりにもモテなすぎてそろそろ男も視野にいやそうではなくてボランティアの話ですよ。

自分をフォローするわけじゃないんですけど、行く理由なんて、別に何でもいいと思うんです。
出会いを求めても、被災地を見てみたいという好奇心でも、旅行のついででも。
結果的に復興を目指した作業に加われるなら、動機なんてなんでも良いと思うんです。

今は
「全ては被災者のために!という崇高な精神を持っていなきゃ、行ってはいけない」
というイメージがあるような気がします。
これが、復興ボランティア参加を躊躇わせる、一番大きな要因なんじゃないかと、無駄にモテたい俺は思うんです。

行った人間の報告で
「建物とか曲がってるし。あんな景色他では見れんし被災地マジやべーし」
「たまに現地の人がおにぎりくれたりするし。マジうめーし」
「一緒に瓦礫撤去した仲間と、地元で会って酒飲んだりするし。出会って2日でマジ親友」

そんな話を聞いて「俺も!」とか思う奴が一人でも増えたら、それはそれで復興支援なんじゃないかなと思うんです。みんなどんどん行ったらいいと思うんです。

ものすごく狭い範囲での、文章と写真による復興支援、ここで始めちゃいます。
復興支援の名目で、拍手を10000000000000回ぐらい連打するといいよ!

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2012/05/04 21:06 | Comments(0) | ボランティア

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